どうして海は青いの?──空の青とは逆のしくみ、「水が赤を吸う」話
どうして海は青いの?
ねえ、らむ。この前、空が青い理由は教えてもらったよね。じゃあ……海はどうして青いの?空とおなじしくみ?

いい質問デス。じつはここが、面白いところ。空と海は、同じ”青”でも、理由がまるで逆なんデスよ。順番にいきましょう。


まず、よくある勘違いから
「海が青いのは、空を映してるからでしょ?」——そう習った人も多いはず。
でもこれ、半分しか合っていません。
証拠を2つ。ひとつ、『くもりの日でも、深い海は青っぽい』。空が灰色なのに、です。
もうひとつ、『コップにくんだ海の水は、透明』。空を映すだけが理由なら、コップの水も青くなきゃおかしい。
つまり、海の青のひみつは「空の反射」だけじゃない。『水そのもの』に隠れているんデス。

水は、赤い光を”食べる”
前回のおさらい。太陽の光は、虹のぜんぶの色が混ざった状態でしたね。
その光が水の中を進んでいくと、水の分子が、波長の長い光(赤・橙・黄)から順番に吸収していく。赤い光は、たった数メートルでほとんど消えてしまう。そして最後まで吸われずに深くまで届くのが、波長の短い『青』。
残った青い光が水中で散らばり、こちらに返ってくる。『だから海は青く見える』んデス。
ここが今日の核心。空と海を、並べてみましょう。
〇空の青 = 空気が、青い光を四方に”ばらまく”(散乱)
〇海の青 = 水が、赤い光を”食べる”(吸収)
同じ青でも、かたや”青をまき散らす”、かたや”赤を消す”。まるで逆向きのしくみで、結果だけが同じ青になっている。
ここを言えると、ぐっと”わかってる”感じがしますよね。

だから、深い海ほど青くなる
水が赤を食べるには、ある程度の『距離』がいります。
コップやプールの水が透きとおって見えるのは、浅くて、赤を食べきるひまがないから。いっぽう海は深いので、赤い光がしっかり吸い取られ、青だけが濃く残る。『深ければ深いほど、青は濃くなる』んデス。
おまけにひとつ。深く潜ると、赤い光がもう届いていないので、『赤いものがくすんで暗く見える』。ダイバーが見る海の中が青一色なのは、このため。
光のなかから赤が消えた世界、というわけデス。

空の反射も、ちゃんと手伝ってる
もちろん、海面は鏡のように空も映します。
だから青空の日は、海がよりいっそう青く輝く。
でも主役は、あくまで「水が赤を吸う」ほう。
『空の反射は、青を引き立てる名脇役』——そう覚えておくと、ちょうどいいバランスデス。

要するに
むずかしい言葉をぜんぶ取っぱらうと、こうデス。
『空は「青い光をばらまく」、海は「赤い光を食べる」』
反対のことをしているのに、どっちも残るのは青。だから空も海も青い。
覚えるのはこれだけ。
「海は赤を食べる」

この一言で、海の青も、深いほど青いことも、ぜんぶ説明がつくんデス。
【実はもっと深い】海の青は、いつも同じ青じゃないデス
最後に、ひとつ。
南の島のエメラルドグリーン、氷河のターコイズ、いつもの濃い青。
海の色は、場所によってぜんぜん違いますよね。 なぜでしょう。
答えは「水に何が混ざっているか」。たとえば『植物プランクトン』は、緑のもと(葉緑素)を持っていて、青い光を吸って緑を返す。だからプランクトンの多い海は、緑がかって見える。砂や氷河のけずれた細かい粒が混じれば、明るい水色(ターコイズ)に。浅くて白い砂の底なら、光がはね返って透きとおった水色になる。
おもしろいのはここから。
『宇宙の人工衛星』は、この”海の色”を上から見て、プランクトンの量=海の元気さを測っているんデス。海の青は、ただの色じゃなく、地球の健康をはかるものさしでもある、というわけデス。
今回も、しくみをわかりやすくした”噛み砕き版”デス。ほんとうは、光の波長ごとに吸われ方がどう違うか、水の分子のどんな性質が赤を吸うのか……まだまだ奥があるんデスよ。

空は青をまいて、海は赤を食べる……反対なのに、おなじ青。なんか、いいね。

その”なんかいいね”こそ、世界を面白がる一歩デス。

ジンタなら、子どもにこう伝えます
ここからは、これを読んでいるあなたへ。お子さんに「どうして海は青いの?」と聞かれたら、前回の”空”とセットにすると、ぐっと伝わります。こんなふうに言います。
空はね、青いひかりをみんなにバラまく”あばれんぼう”だったでしょ。海はその反対なんだ。

海の水はね、赤いひかりが大すき。お日さまのひかりが海に入ると、水が赤をパクパク食べちゃうの。

食べられずに最後まで残るのが、青。だから海の中は青くなって、海は青く見えるんだよ。

プールの水がすきとおってるのはね、あさくて、赤を食べるひまがないからなんだ。

コツは、「空はまく、海は食べる」——この対にして渡すこと。反対だからこそ、子どもの頭に残ります。
あとは、あなたの言葉でアレンジしてください。「赤いひかりがおぼれちゃう」でもいいし、お子さんの好きな食べものに例えてもいい。『あなたのおうちの言い方』になったとき、この知識はいちばん強くなります。

あなたの迷いに、Let’s putaperi!!